2007/12/06

第八話「親と自分を切り離す方法」

離婚・別居子供の気持ち-「別れないで」言えなかった

  第八話「親と自分を切り離す方法」


小学生のころは、親が仲直りしてくれることを祈り、お手伝いもいっぱいして、一人ぼっちの夜も我慢していた。

でも結局それが無駄だという結論に達し、親と自分は切り離して考えることにした。

親と自分を切り離すということは、自分の考えや意見は全く親に言わないということ。
離婚とか別居とか・・・そんな事は自分とは関係ないことと自分に思い込ませること。
親や家庭の影響を受けないために、自分の心と思考を一切遮断すること。

中学校から帰ってきて、家族3人で夕食を食べていても会話もはずまず、
重苦しい空気が漂っていた。

そういう時は一気に心のシャッターを下ろす。

私の視線は常に茶碗とおかずにだけ向けられる。

彼らの会話はただ私の耳を通り過ぎていくだけだ。

思考も停止して、人形のようにただ飯を食う。表情も絶対変えない。

常に親とは学校のこととか、適当な話題をしておく。

普段は学校や、友達、好きな人、洋服、テレビ番組のことだけを考える。

勉強中突然父親が大きな声をあげたとしても、一瞬びくっとなるが、その1秒後にはシャッターが下りてきてその事は考えないようにした。

私はけっこううまくできた。
シャッターを下ろすと思考や五感を遮断することに集中できるため、
以前より楽だった。

涙は流さなくてもすんだし、
胸が苦しくなったり、悲しさで気持ちが高ぶることも少なくなった。

そして、
親との会話は一気に減った。


外からの影響をシャットアウトすることにより、
私の心は短くも平穏の時を迎えたように感じていたのだが・・・
シャッターで閉ざされた私の心は
外からの影響もシャットアウトする代わりに、
自分から外へ感情を吐き出すこともなくなった。

吐き出されないままその感情は私の心のシャッターの中に溜め込まれ・・・
少しずつ増えていった。
(その後高校に入ってから爆発する・・・)


吐き出す先のない感情を溜め込んだ私は・・・
知らない間にどんどん攻撃的になっていった。

***つづく