離婚・別居子供の気持ち-「別れないで」言えなかった
第六話「私の人生、私の心なのに…」
家族の関係を修復できないでいる私のことなんて気にもとめないかのように、勝手に夏がきて、春がきて、秋がきた。
おばあちゃん達と食べるご飯にも段々慣れてきた。でも夜は怖いから、なるべくおばあちゃんと一緒にお風呂に入った。
いくら頑張っても私の気持ちは両親に伝わらない。一度だけ伝えたけど(※第五話参照)あんまり意味なかったし。
家の中の重苦しい空気の中で生活するのも、呼吸困難になりそうな怒りと悲しみを抑えるのにも、
もう疲れた。
吐き気をもよおす回数も段々増えてきた気もするし。
そして、とうとう私はある結論に達した。
「もう親に振り回されるのはいやだ」
「どうしてお父さんお母さんの仲が悪いことで、私の心が傷付けられなくちゃいけないの?私の人生、私の心なのに・・・・」
「私が直接何かされたわけじゃないんだし、親同士がモメてることで、私までが不幸になってたまるか!」
「親の問題は、自分とは切り離して考えよう」
それ以来、私は自分の本心を親に話さないことにした。もう自分が何をしても無駄なら、せめて傷つかないようにしようと思った。
「私の考えは私のもの。この人達と関係ないし、この人達の気持ちも私には関係ない。別に離婚したっていいよ。そんなの私に関係ないもん。あなた達が離婚したことで、私の心が悲しいと感じたりはしない。私が悲しいと思うのは、自分のことだけ。」
自分と親を切り離して考えるようにしたため、その後も親の前ではそれぞれ一度しか泣いていない。この1年後、母が「お母さん別の場所で暮らすの」と言ったときも「ふーん」とかしか言わなかった。それが私にできる精一杯だった。
****つづく