2007/11/24

第三話「一人の夜、味方は自分だけ」

 離婚・別居子供の気持ち-「別れないで」言えなかった
  第三話「一人の夜、味方は自分だけ」


※今回の話しはなるべく当時の口調に合わせて書いています。

オムレツ事件の後も私の吐き気は良くなるどころか、頻度は増えてきたように感じる。
お母さんの仕事もますます忙しくなってきて、帰る時間も以前より遅くなった。


沙緒「今日もお母さん遅いって言ってたな。お父さんも今日は仕事で帰ってこないから、夕飯は冷凍ピラフでも食べようかな。」


でもうちは両親共働きだから、こういうのもしょうがないよね。

私だってもうすぐ小6になるし、料理だって学校の家庭科でやっているし、別に平気じゃん。そう思うようにしてるよ。
っていうか鍵っ子だから、親が日中いない分しっかりしているように思われるし、ある意味目立って格好いいし・・・。


沙緒「兄弟もいないから一人遊びも慣れてるし全然楽しいって!」


最近は一人で食事するのにも大分慣れてきた。おばあちゃん達とご飯も食べることもあったけど、20時頃に帰ってきた母親とそのまま外で待ち合わせして外食したりもした。私は外食好きだから結構嬉しい。

両親とも遅い日でもそれなりに楽しく過ごせる。自信はけっこうあります!!

ただちょっと、暗い廊下を一人で歩くのと、一人で風呂でシャンプーするのが怖いんだけど。学校七不思議なんていう本がクラスで流行っちゃったりもしてて・・・私お化け大嫌いだからさ。
だから一人の夜は家の電気を全部つけたまま、テレビもつけたまま。トイレも開けたまま入っちゃったり・・・(苦笑)。

お母さんが作っていった料理を温める以外では、冷凍ピラフが最近のお気に入り。ニチレイの冷凍ピラフ、味が単調だけどはまる!
他に食べるものがないときは、ハムとか海苔とか、かつお節もよくつまんで食べたりする。(お菓子よりお腹にたまるから)

あとはね、一人でテレビを見ながら冷凍ピラフを食べて、クラスメイトと長電話するのが楽しい!親はいないから怒られることもないし。

でも電話相手の友達のほうが親に怒られちゃうこともある。電話の向こうから「いつまで電話してるの!お風呂に入りなさい!」なんて、友達のお母さんの声が聞こえたりね~。

うーん、これはちょっと辛いんだけど・・・。

そういえばこの前、担任の先生に「沙緒は5年生になったらとても優しくなった、ってお母さんが言ってたよ」って教えてもらった。先に寝るときは冷蔵庫にはってあるホワイトボードに「お母さん、お仕事おつかれさま」って書いていたからかな?

お父さんはあんなんで家事も全然やらないしムカつくけど、お母さんのお手伝いはもっと頑張らないと・・・。

お父さんはずっとイライラしてるし。
しかもこの前お母さんの手帳を見たら平日の火曜日に映画に行く予定が入っていた。「私も行きたい」って言ったら、「友達と行くのよ」って言われちゃったんだけど。お父さんも誘ってあげればいいのに・・・。

でも本音を言えば、家で一人ってやっぱり心細い。
吐き気も治らないし、お化けは怖いし。

大抵21時頃には友達との長電話も終わらせないといけないから、その後がちょっと・・・キツイ。

だから最近は、間違い電話の振りをして全然知らない番号にかけてみたり、そんなイタズラもやったりする。まあ、無言電話じゃないから犯罪にはならないよね?

片親の友達もいるんだけど、うちはまだ離婚とかしたわけじゃないから相談するのも変だし・・・家で一人でいるくらい、別に・・・どうってことないと思わないと。


でもやっぱり誰かに相談したいな、
話しをきいて欲しいな。

兄弟とかがいればよかったのに、全くついてないよ、私。


そして最終的に、私は自分自身と相談をすることに決めた
(注意:つまり全て頭の中で行う。後から考えるとかなり病的行為だったかも・・・)。

心の沙緒A「ねえ、なんでお父さんとお母さん仲良くならないのかな」
心の沙緒B「さあ?簡単にわかれば苦労しないよ」
心の沙緒A「この前は夜中の0時を過ぎてもお母さん帰ってこなかったんだよ。朝起きたらいたけど。タクシーで帰ってきたのかな」
心の沙緒B「23時頃玄関の前に立ってたのにね。きっと玄関で待っていたらお母さん喜んだのにね。」
心の沙緒A「私、流石に可哀そうだと思ったよ・・・。」


自分自身に悩みを打ち明けるようになってから、なんか味方ができたような気になってきた。

だけどそれからすぐに、
両親は毎晩夜遅くコソコソと食卓で話し合いをするようになる。

私の吐き気も全然良くならないままなのに・・・。


<つづく>