2007/11/20

不倫=男女の問題?

  心の三角形「不倫=男女の問題?」

両親が別れてしまって大分経ったが、私の心の傷はまだ深いなと思うことがある。

母が不倫をしていたため、子どもがいるのに不倫や浮気をする人(或いは相手に子どもがいるのを知りながら不倫をする人)に対して物凄い嫌悪感を持っている。

お付き合いをする相手に対しても、友達から言わせると変な?条件を求めてしまう。例えば彼女がいる男性を私が好きになってしまったとしよう。しかしその男性が彼女がいるにもかかわらず私のことを好きになってしまったら、私はもうその男性に愛は芽生えないと思う。

怖いんだ。

もしかしたら、私と付き合いだした後もまた同じ事をするのでは・・・?他の人の事を好きになってしまうのでは・・・?どうして彼女がいるのに他の人に気持ちが変わってしまうのか、彼女に対する気持ちはそんなものだったのか?そう考えてしまって、気持ちは一気に冷めてしまう。

人を好きになる気持ちなんて、自分で操作できるものじゃないと片方ではわかっているつもりでも、怖い。

「親みたいになりたくない」

ずっとこの言葉だけが頭の奥のほうに貼り付いているみたいで、自分でもどうにもできない。どうして不倫や浮気に対してこんなに強いこだわりを持ってしまうのか・・・。

「ただ結婚して子どもが出来た後、他の人を好きになってしまっただけじゃないか」
「好きになってしまうのは止められないでしょ。」
「結婚したら家族になっちゃうから、配偶者を恋人としては見られない」

こんな風に言っている人を見たこともある。私はまだ結婚したことがないからよくわからないけど、この人たちが言っていることも正しいのかもしれない・・と思う時もある。
でも・・・。


子どもがいるのを知っていて、その相手と不倫している友人、
自分も子どもがいるのに「彼女がいる」と当たり前のように話している男性、
でもみんな「子どもがそれを知ったらどう思うか」という話をしているのは見たことがない。

出てくるのは、不倫の当事者と、その配偶者のことばかり。

わざと考えないようにしているだけなのだろうか。それとも想像できないのか。

私は漫画や小説、ドラマでそういう登場人物が出てくるだけでも憂鬱な気分になる。
不倫の話を書いている漫画や小説には殆ど「親が不倫している子ども」の気持ちは出てこない。
不倫=男女の問題、という印象しか与えない物ばかり。

「だって好きなんだもん、でも奥さんがいただけ」とか、「娘もいるから簡単には離婚できない、でも待っていてくれる?」とか、そんな台詞が出てくるたびに、胸が苦しくなって涙が溢れてきそうになる。

「どうして私がこんなに苦しい思いをしなくちゃいけないの?好きになったって言うんだから、勝手にやらしておけば」って思おうとしても、どうにもならない。

離婚を描いたストーリーにしても、子どもの立場からそれを描いたものはごく少数だ。
大抵が男と女の物語・・・。
子どもがいたら、男と女の問題だけでは済まないはずなのに。


母も「好きになってしまったのだから仕方なかった」と思っていたのかもしれない。父にもたくさん問題があったので母だけ責めるわけにはいかないこともわかっている。

しかし、その不倫が原因で私の価値観は大きく変わり、友達からは「恋愛にクソ真面目すぎる」と言われてしまう人間になった。

そしていまだに不倫の話を聞くだけで憂鬱な気分になり、とても苦しい。


「人の痛みがわかったのだから見方を変えればよかった」と言う人もいるかもしれない。
でも、人の痛みなんてわからない人のほうが自分勝手に幸せに生きている。

子どもの気持ちをズタズタに踏み潰しているかもしれないことを想像もせず、不倫をしている人たち。後者になれたなら、どれだけもっと気軽に生きていけるだろうか。